2013年8月25日日曜日

デジット30円ジャンクCCDカメラを解析してみた

デジットの入口付近においてある、一袋30円の怪しいジャンクCCDカメラモジュールをざっと解析してみました。
なお、ジャンクCCDカメラモジュールは様々な種類があり、必ずしも必要な基板が揃っているとは限らないようです。まぁジャンクですし。

自分も4つばかし購入してみました。もちろん全部違い種類です。ですが、ざっと見た感じ、どれも白黒CCDカメラで構成が微妙に違えど、使用部品自体は似たり寄ったりな感じ・・・

例によって書かれている内容は無保証です。何があっても知りません。
何かあったら困る人は試さないでください。やるなら完全自己責任で!!



今回解析したのは、こんなかんじのやつです。



変な線が付いているのは、解析途中だからです。
まぁ、例によってコンデンサの液漏れが激しく、基板はベトベトだし・・
一つポロッと取れてしまったので、応急処置でくっつけています(汗


CCD制御基板。
シールドケースは外してあります。
多分CCDに必要な各種電源とかもここで生成しているはず。
使用半導体とか分かる範囲で記載しています。
この基板、液漏れが激しく、どうもシールドケースの中で液に浸かっていたようで、
ICの刻印が消えかかっています。ってかもう一つのIC刻印が完全に消えているし・・・

ICの型番でググると、白黒CCDであることは間違いないようです。
ちなみに、7805は結構熱くなります。実験するときは、入力電圧を10V程度にしておいたほうがいいでしょう。
(7805からの出力は4V弱になります。)
CCD制御基板裏側。
こちらもシールドケースは外してあります。
特にコメントはないですが、液漏れでいくつかのパターンが錆びていました。



制御基板の上に乗っかる基板。
電源基板っぽいのですが、乗っているICから、受信機のようです。
CCDからきたビデオ信号は、上の2つあるIFTっぽいところに入っているところまでま突き止めたのですが。
もしかして無線伝送?謎だ。


基板裏側。
AM/FM検波用ICが乗っているのがすごく謎。
左のTRは、CCD基板への電源をスイッチしているようです。
電源の入力自体は、上のブリッジダイオードにより保護されており、極性は関係ないです。
実はAC入力?

ついでに、CCDモジュールをバラしてみました。




白黒ですから、配線は少ないです。

さて、こういう詳細不明ジャンクを解析する場合の私のやり方を少しご紹介。
  • まずは基板を隅から隅までまじまじと見ます。
    • ICの足が白くなっていたりしていたら、多分水没しています。
    • ICの足や、基板のパターンが黒くなっていたら、多分コンデンサの液漏れで錆びています。
    • 基板から妙な匂いがしたら、コンデンサの液漏れ確定です。
    • 部品が外れてたような痕跡はないか。空きパターンなのか、外れているのかはよく観察します。
    • 焦げている、変色している部品やケーブル、プリントパターンはないか。
    • ハンダが浮いている箇所はないか。ハンダ不良や怪しいハンダはないか。
    • ヒビが入っている、浮いている、曲がっているなど、変な部品はないか。
    • 針金やハンダブリッジがないか。(電源を針金でショートさせるトラップがあるとかないとか。ジャンク品には時々トラップがあります。)
    • コンデンサは膨れていないか。(電源入れる前に即交換か、ストックを買っておく。)
    • ICやトランジスタなどのパッケージが膨れていたり、ヒビが入っていないか。(過電圧で破損している可能性が高い。そのまま電源を入れると爆発発火発煙とロクな目に合わない)
    • 不自然なハンダ付けの痕跡はないか。(誰かがいじっている可能性が高い)
    • その他不自然なところはないか。

この辺りをよくよくチェックします。
電源を入れる前によくよくチェックしないと、安易に電源をいれるのは非常に危険です。
相手はジャンク品です。安易な期待はするだけ無駄です。

次に、コネクタ付近のシルク印字を観察します。電源端子がわからない場合、複数あるコネクタのうち、プリントパターンが太いコネクタから順に、パタンを追いかけます。
パタンの先にはきっとケミコンがぶら下がっているはずなので、それの極性を調べることにより、コネクタの極性が判明します。
また、ケミコンの耐電圧から、絶対最大電圧が判明します。少なくともこの電圧以下のはずです。
また、電源には何かしらのフィルタが入っている場合が多いです。コイルやフェライトビーズがある場合、その端子は電源端子である可能性が高いでしょう。
さらに、ものによってはヒューズや逆接続防止ダイオードが入っていることがあります。
「F」とかかれた白っぽい部品がぶら下がっていると、多分それはヒューズです。
7805のような電源ICがぶら下がっていたらビンゴです。
途中にICがぶら下がっていたら、そのICの型番でググります。
そのICの推奨電圧で駆動している可能性が高いので、その電圧でまず試してみます。

こんなかんじで、まずは電源端子を発見し、極性、電圧を特定していきます。

次に、使用されている部品をチェックします。
といっても、トランジスタ単品とかは回路を追いかけないと厳しいので、まずはICの型番をチェックします。
使用しているICで、この基板がなんの機能を持っているのか見当がつきます。
機能が分かれば、入出力も推測がつきますし、動作チェックする内容も見当がつきます。
データシートが入手できれば、ピンアサインや動作電圧、推奨回路図から、実際の回路を比較し、不明な点を少しづつ埋めていきます。
ここで重要なのは、全てを把握する必要はないという点です。あくまで動作させるための最低限の情報さえ入手できればいいので、おおよその機能ブロックが分かればいいです。


あらかた情報が揃ったら、まずは電源を10秒程度だけ入れます。この時変な音、匂い、発熱が無いか即座にチェックします。
また、異常に電流が流れている場合、極性が間違えている可能性があるので、再度入念にチェックします。
まぁ、何を持って異常事態かと判断するのは、感と経験としか言いようが無いのですが、だいたい1A流れたらヤバイです。

大丈夫そうであれば、電源を入れ、各端子の電圧や、ICの電圧をチェックします。
この時、うっかりショートさせたりして壊さないように。
ピン間隔の狭いものは後回しにします。このときも全部チェクせず、大体でOKです。

一旦電源切断します。
今回のように不明な端子がある場合、テスターの導通チェックレンジで、地味に一つずつ導通箇所をチェックします。
場合によっては何がぶら下がっているのかを書き起こします。
抵抗に接続されていればその先、トランジスタに接続されていればまずはコレクタ側からというように、どんどんチェックしていきます。
最終的にどこかのICにぶち当たれば幸いで、そのピンがなんなのかデータシートを参照しましょう。
ぶち当たらなかった場合は・・・
厳しいです。何がぶら下がっているかを書き起こした上で、それがなんの回路の一部なのかを推測します。
こればっかりは、どれだけ回路を知っているかによります。
あとは、基板に型番があるならググってみる。回路図が公開されていないか調べてみる。
(海外では回路図が公開されていることが割と多いです。)

あとは、二三日寝かせてみる。部品とりとして諦める。

そんなところですかねぇ。
オーディオ回路であれば、特殊な機材を使わずとも、テスターとクリスタルイヤホン、コンデンサで修理箇所を特定する方法があるのですが、まぁ、機会があれば書くかも。


2013年8月11日日曜日

Yamaguchi Mini Maker Faireに行って来ました。

という訳で、Yamaguchi Mini Maker Faireに行って来ました。
(Makerって何?な方はここらへんを参照)
今回西日本では初開催という事で、広島から参加しました。

会場につくまでは、正直山口は田舎(私の田舎があります。)という印象で、事実回りには畑ばかりだったり、高い建物は皆無だったりしまして、そこまで期待はしていなかったのですが、まずは会場の山口情報芸術センターに圧倒されました。



なんなんだ、このモダンな展示物は!!
これは、12面体スピーカーを利用して、立つ位置によって世界の森の音が聞ける芸術作品となっており、奥にある液晶には各スピーカーからの出力波形やら周波数やらが表示されております。
無味乾燥な波形データや数値データまでもを作品の一部とする。こんなのがあるとは・・・


これは、ガラスに貼られたコンピュータの歴史を、天井からぶら下げた可動式iPadで見ると、それらがARタグとなっており、それぞれの詳細が見られるという展示物。すごい。
上部の可動部。どう見ても自作です。


既に圧倒されつつ、肝心のMaker会場内はこんな感じでした。
一言で言えばカオスw
バリバリの業者さんが3Dプリンタやっているかと思えば、外人さんがこんなの作って見ました的なもの、ゾンビのメークをした人が徘徊したり、箱に閉じ込められた人まで様々。
サイバーなお姉さんとか。

机の下からはんだ鏝が出てくるのが当たり前。そんな会場でした。
みんな様々なアイデアを凝らした作品ばかり。
約100の出店者がそれぞれ工夫を凝らしたものを展示していました。
感じ的には、Arduinoを利用したフィジカルコンピューティングなもの、今が旬な3Dプリンタ系、LEDキューブやスマホを利用したものが比較的多い印象を受けました。
あと、振る舞いで音を鳴らしたり、楽器系のもの、キネクトを利用したものとかも。
こんなの何に役立つの?と聞くだけ野暮というものですw
エアードームにわずかプロジェクタ2台で全天に映像を投影するとか、100均のもので全周カメラ作るとか必要は発明の母です。

一見簡単そうに見えるものも、それは完成したものを見ているから言えるわけで、創意工夫というのが大変でもあり、面白い部分だというのを再認識しました。

あと、あ?もしかしてTwitterのフォロワーさんの中の人かも?という方にも何人かお会いさせてもらいました。
自作派だけではなく、芸術や美術系の人にも、刺激になるイベントだと思います。自分も色々な刺激を受けました。

個人的には、まだまだこんなにも変人趣味人がいること、似たりよったりな流行に流されるのではなく、独創的なアイデアを形にしている、それを誇っていることに、絶滅危惧種的な電子工作スラスタとしては、安堵の気持ちになると共に、心強く思った次第です。

まぁ、会場の山口情報芸術センターでは、Makerのイベント以外にも、芸術作品を展示しており、こちらも大変素晴らしかったです。
(あまりに斬新すぎて、地元でも賛否両論だと案内の方がおっしゃられていました。)
色々圧倒されっぱなしでした。地元広島でも、こういう美術館が出来るといいなぁ。

2013年8月5日月曜日

第一回 中国地方DB勉強会に参加してきました。

第一回 中国地方DB勉強会に参加してきました。
この日は広島Ruby 勉強会#033と被っていたのですが、元DB関係者?として興味があったもので・・・

場所は大都会岡山。広島からだと当日バスで余裕だと思っていたのですが、
世間はあの都市伝説夏休みだったらしく、まさかの満席。
まぁ、こんなこともあろうかと時間には余裕を持たせていたのです。という訳でJR在来線でガタゴト揺られながら・・・
と思ったら、貨物列車事故発生w。金光とかいう乗り換えも代替輸送も不可な駅で待ちぼうけを食らうはめに。
なんとか岡山駅に着いたのはいいが、なんとその日は花火大会やらお祭りがあったらしく、人人人!
さすが大都会岡山だぜと思いながらやっとの思いで会場へ到着。

まず最初は、大垣さんによる、PostgreSQL 9.3 最新情報。

毎度のことですが、DBに関しては、最新にしとけ。というお話。
特に、9.x系はレプリケーションやビューに力を入れているようです。
あと、共有メモリ周りの改善は地味に嬉しい。毎度カーネルパラメタ弄らないといけないのは手間なので。
マテリアライズド・ビューの実装については、正直まだ実装していなかったの?という感想です。
こういうところが、商用DBにまだまだ分があるなぁと。
フリーだからという理由で飛びつくと、色々出来ないことが出てきて困ることになります。割と経験的に。

次は、奥野さんによる、MySQL 5.6 最新情報
MySQLの歴史から、最新の5.6にいたる流れを紹介して頂きました。
流石本家の人。かなり詳細な点を紹介されていました。
個人的には、DBの構造にモノリシックカーネルという表現を使われていたのが斬新だと感じました。
MySQLの用途的にはサブクエリは苦手という認識でしたが、どうしても使用しないといけない状況はある訳で、その場合どうすればいいかという点が気になっていましたが、今回の5.6でサブクエリが高速化されたとのことで、まずはここでも最新版にしておけということですね。
正直私には内容が高度すぎました…Orz

最後は、再び大垣さんによるDBに関するセキュリティについて。
DBもWebアプリケション同様セキュリティに気をつけようよというお話。
SSRFとか一体どうやったらこんなこと思いつくのかというくらい、最近の手法は凄いです。
SQLインジェクションが、DBにバイナリデータを格納させ、コマンド実行させたりとか、外部とのFTPが無いのに、SQLインジェクションがあったばかりに、ファイルを生成させられ、実行させるとか恐ろしい。

懇親会も参加し、さて、帰るかととぼとぼ岡山駅方面へ歩いていた所、「どうやらJRが止まったらしい」という噂がw。
町中は花火大会とお祭りでごった返す中、事実確認をすると、なんと、行きで発生した貨物列車事故付近で踏切事故が発生して運休らしい。

帰られないことを想定して一応念の為新幹線代を財布に突っ込んでおいたのが不幸中の幸い。

いろんな意味で忘れられない一日となりました。