2012年5月3日木曜日

上海問屋の120Wインバータを分解してみた。

構造が気になったので、上海問屋で買い物するついでに買ってみた
因みに、型番はMRI1210USというらしい。120W出力で、HPに記載はないが、50Hzである。


見た目は悪くない。スリムというだけあって軽い。昔のインバータはとにかく重かった。
構造が気になったのは、昔のインバータの構造は概ね以下のようだった。


つまり、555+D-FF+マルチバイブレータなどで疑似正弦波を作成し、それをFETでスイッチング。
100V-12Vトランスを逆につないで、12Vを100Vに昇圧するというもの。
当然容量が大きくなれば、トランスはデカくなるし、FETの放熱も大きくなる。
こんなものは数十年前から姿を消して、スイッチング電源みたいに軽くなっている。
で予想した構造。


流石にFETで直駆動は無理があるやろw 正直分からん。トランスはSW周波数を上げれば小型化できると聞いたことがあるので、前段のDCDCでは1KHz位でSWし、DC100Vを作成する。
一旦DC100Vにすれば、後はトランスを経由しなくても、直接駆動してしまえばいいかなと。
ただ、この場合FETがショートしたりするとかなり悲惨なことになりそう。FET直駆動が気持ち悪い。何となく。

んなことを考えながら、分解してみる。まだ使ってもいないのにw


予想よりずっと複雑。っと思ったが、小さい基板2個に殆ど部品が集積されていて、メイン基板にはそれほど実装されていない。各部をわかる範囲で詳しく見ていく。


FETにサーミスタらしきものがついていたり、ファンのコネクタが刺さっていたり、LEDが刺さっているので、何かしらの保護回路かと思ったが、乗っているICにはKA7500BSとあり、どうも下にあるMOS-FETを駆動しているようだ。このトランスには12/110Vと書いてあるので、12V-100VのDC-DCコンバータと思われる。


トランスの横に縦に小さく4つダイオードが並んでいる。型番はER2D。下のケミコンの耐圧が400VだったのでDCDCで間違いないだろう。その横にMOS-FETが4つ。ブリッジ接続だったかな。確か。FETの型番はHX630とあり、よく分からないが、200V9A駆動ができるらしい。
上の基板はあからさまに(笑)コンデンサが後付されているので、FETのスイッチング用だろう。このコンデンサを付け替えると、電源周波数が弄れる筈。乗っているICはTL494Cでかなり有名なICのようだ。データシートによると、案の定CRで発信周波数が変更可能だった。


こちらはUSB電源部。簡単に7805かなと思っていたが、真面目に(?)SW電源でした。使用しているICはLM2596S。何気に電源だけの配線ではなく、データ線にも電源が接続されていた。ちょっと感心。なのにヒューズは基板直付けはヒジョーに頂けない!!



基板裏側。まぁこんなもんでしょう。トランスの半田付けが若干不安ですが(汗
大電流が流れる箇所なので、後でちゃんと補修しておこう。
基板についている表面実装部品は恐らくリフロー炉で半田付けをしていると思われるが、汚いねぇ。半田の温度管理してないんじゃないかな。まさかの手はんだとか。


トランス部の拡大。どう見ても天ぷらっぽい。


最後の極め付け。シガープラグ。なんとヒューズが入っていません!!配線直結でした。
正直ありえん・・・

というわけで、ざっと構造を調べた結果、予想どおりでした。最近のFETってあんなに小さいもので100V直接駆動出来るんですね。ON抵抗かなり低いんだろうなぁ。
部品自体もググれば出てくるような物なので、特殊部品は使っていないようです。トランスが断線やショートしたら流石に修理は無理かな。
基板がモジュール化されているところを見ると、割と汎用的な構成なんでしょうね。FETの種類とトランスを変更する位で高出力化できそうですし。


0 件のコメント:

コメントを投稿