2012年3月28日水曜日

ASUS W7SのGPU不良を修理してみた

大阪の某ジャンクPCショップにて、液晶不良のジャンクノートを7,000\円でゲットしてきました。

*2,000円引きのセール中でした。

スペックは中々のもの。ちょうどWindowsPhoneアプリ開発用マシンを探しているところだったので、
即購入。(まぁ、2007年製でnvidiaのチップ、液晶不良という段階で当然当たりは付けてました。)


で症状は以下の通り。

液晶は真っ白。外部ディスプレイは表示がぐちゃぐちゃ。
これは知っている人には有名なnvidiaの熱設計バグによる半田クラックの典型的症状です。
(一般的にファミコンバグのような表示になる症状は、グラフィックチップの半田クラックの症状でほぼ間違いないです。)
と言うわけで、早速分解。分解の仕方は割愛w



CPU、グラフィックチップは裏面にある。チップ部を拡大

見えるか分からないが、G86とある。こいつはググれば大量にリコールやら修理した等のページが見つかる。どうやら、熱設計に問題があって回収になったロットのようだ。当然こいつに保証なんて無いので、自力修理となる。
まず、GPUを覆っている黒いシールを慎重に剥がす。(写真は剥がした後)

次にフラックスをGPUとマザーボードの隙間に注射器やスポイト等で注入する。
本当は半田の種類や特性によってフラックスは異なるらしいが、広島で入手できたのは、
東急ハンズにこれしかなかった。


今回の主役。温度調整機能付きヒートガン。これがあると修理の幅がぐっと広がる優れもの。Amazonで購入。そんなに高いものではないが、電気食うので、使用の際はコンセントから直に取るなど注意。

GPU以外がヒートガンの熱で溶けたりしないよう、しっかりマスキングをする。100均のマスキング用紙テープでOKだが、3~5枚重ねた方がよい。

今回は、GPUの四隅に接着剤?が付いていたので、上から押さえることはしなかったが、
付いていない場合、チップの上に割り箸を置き、マザボの裏側には手ぬぐいを折りたたんだものをおいて、上下を万力で少し圧を掛けた方がよい。

チップから1~2Cm離した距離で、最初200度でチップの周りを満遍なく回すように1分加熱。その後350度で4分間加熱します。紙が少し焦げる感じです。その後70度で1分間ゆっくり冷ました後、自然冷却で冷えるまで待ちます。加熱中及び冷却中は絶対に基板に触れないこと!加熱により他の部品の半田が溶けている可能性があり、当たって位置がずれたり外れるとかな~り厄介です。


*注意*
本当はBGAのリフローは、半田の温度プロファイルに従う必要があります。(チップによっては220度を超えると壊れるものがあるらしい。)又、正しくは一端チップを完全に剥がした後、BGAの半田を綺麗にやりかえる高度な処置が必要であり、一般人が手が出せるものではありません(ヒートガンでの修理が一般人レベルかは置いておいて(笑))。今回は半田クラックにより接触不良になったBGAの半田をフラックスで再活性させ、再度接着させるという方法を取っています。

十分にさめたら、マスキングテープを剥がし、GPUに張ってあった絶縁用?の黒いテープを元のように貼り、元通りに組み立てます。

そして、いざ通電!


念のため、外部ディスプレイに接続して、手元にあったWin8のHDDを接続して起動。

問題なく修理完了。この後、GPUのベンチ動かして一晩放置して、問題が発生しないかチェック。
当然再発防止の為、ヒートシンクやファンの掃除、放熱グリスの塗布などと全体の掃除を行いました。

今回は無事修理完了しましたが、液晶が真っ白になる他の原因としては、ヒンジのところで液晶の信号線が断線するという症状が多いです。
液晶の画面に縦線が入る故障も多いですね。これは、液晶のガラス基板とコントロール基板を結ぶフィルムケーブルの接着が剥離する事が原因です。古くはゲームボーイとかの時代から良く見る故障で、修理方法も簡易的なものから、ちゃんとしたものまでやり方はあるのですが、又機会があれば書くかも。

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