2012年12月11日火曜日

写らない液晶をゲット

パソコン工房にて、今度は写らない液晶をゲットしました。
いまどきスクエアな19インチ液晶なんですごく微妙というかゴミなんですが

何故こいつを入手したかというと、ちょっと経験したことのない壊れ方をしているんです。
通常、液晶の故障といえば、割れたとかを除いて、バックライト回りが多いんです。
なので、電源を入れても写らない。けどうっすらと表示内容が見える。
とかなんですが、今回のは真っ白。
聞いたところによると、ノーマリーホワイトというらしいです。
この状態で、OSDも何も表示されません。
少なくともバックライトは生きているようです。
というわけでサクッと分解~
(この時はまだ楽勝だと思っていた)
まずは第一段階突破。爪を無傷で外す方法はないものか。
第二段階突破
今回は制御基板に狙いを決めて…

ってこれまたわかりやすい
見事に焦げてます。

基板の調査中・・・
残念ながらパターン死亡…
が経験的にこれはトランジスタで、きっと5vをスイッチしてロジック回路に電源供給しているはず
ここで登場。困った時の1815

さて、火をふくか、無事動くか…
残念。
もしかしてFETかな?
ベース電圧(仮)がスタンバイ時は約1.3vにたいし、アクティブ時は0vとなる。少しググろう。

液晶パネルへの電流は1.5A。ちょっと多い気がしなくもないが
そしてじわじわ上がっているのが怖い。
パネル側に問題があるのかも。
基板のリビジョンが不一致だが、回路図らしきものを発見!
http://dc260.4shared.com/doc/9cROnJJU/preview.html
これをみると、液晶には5Vではなく12Vを掛けるのが正解?
実際にはリビジョンが違うので、基板から探らないといけないけど。
回路図見る限り、on_Panel12vの論理が不明だが、これ、ONになったら、FETを通して12VラインをGNDに落とすor5Vラインにつなぐように見えるのだが・・

パネルの方は、特に問題なさそう。若干焦げてるけど許容範囲内
焦げ具合から、元々結構電気食うと推測。スイッチ用トランジスタの放熱不良か定格に無理があって破壊されたと推測。
とりあえず、直結して他に問題がないか見てみよう。
 直結すると過電流保護回路が動くよう&uew線が変色するくらい電流が流れている…
ショートはないよう。パネル側ヒューズは飛んでいない。
この基板は多層基板なので、焦げて穴が空いた所がどこかショートしたのかな?
ヒューズを飛ばしたりしながら試行錯誤した結果、原因がおそらく判明。
液晶パネルのコントロール基板に張り付いているチップコンデンサが一つショートモードで故障しとる!!
こいつらのどれだろう・・・

修行が足りなかった。
FETが飛んだ段階で、コンデンサのショートを疑うべきだった。
Pbフリーの場合、チップコンデンサのショート事故が起こる。
パネルの消費電力が23Wあるので、5Vだと最大4A流れるから、
てっきり放熱不良の電流OVと思い込んでいた。
パネルは既製品なので壊れないと思い込んでいたし、制御基板かSW電源の不良と思い込んでいた。
ただ、今回の場合は、電源ラインのコンデンサショートではなく、(さすがに気づく)液晶コントロールIC?かパネル自体への各種電圧を供給する箇所で一部ショートしている。なので、パネル自体のDCDCには目立った異常はなかったので気づかなかった。
パネルの回路図はさすがにネットに落ちていないだろうから、例によってジャンクから引っぺがすか。
今までもコンデンサショートを修理してきて、しかもPbフリーでのコンデンサショートの事例を知っていたにもかかわらず気づかなかったのが非常に悔しい!!!

原因のコンデンサを特定した!
iPhoneでかなり苦労して撮影したけど、真ん中に「く」のようなヒビが入っている。パンクした証拠
鉛筆の落書きではない。
ちなみに場所はここ。
前回当たりをつけたところは、スカだった(回路的につながっていただっけ)
後日ジャンク屋にて適当なPchMOS-FETを入手し、チップコンデンサを張り替えたところ、無事復旧できました。
予想以上に長期戦になりました。
今回の敗因は、関連している現象(過電流でFETが燃える=どこかが過電流=どっかショートかそれに近い状況)を、モジュールで切り離した上に思い込みがプラスされて、推測できなかったことに尽きます。
制御基板があまりにコストカットというか回路が残念というかアレな状態だったので、FETも不良品か定格ぎりぎりなんだろうとか電源が腐っているとか思い込んでいました。今までそういう事例が多かったのもありまして。
今回の教訓は、下手に思い込みをせず、アマチュアの特権をフルに生かし、すべてのコンデンサのショート状態を地道に確認するなど、疑わしきものは思い込みで排除せず、面倒でもきちんと調査、測定すべきということです。
修理の基本ですな。故障箇所がまったくの予想外とかIC不良とかじゃなくて、十分想定できた範囲内だっただけに、まったく持って悔しい限り。




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